VRMクラウド向けにトロコンもどきを作ってみた。
VRM Cloudは,スマートフォンアプリであるが故にユーザーが操作できるインターフェースが制限されている。狭い画面の上で表示及び入力の両方を行わなければならないためであることは,もはや説明不要だろう。
要するにクラウドビュワーでは,ユーザーが自発的にかつ直接的にポイントを操作することが出来ないがために,ほとんどの場合走行ルートは固定され,限られた面積のレイアウト内を決められたルートで走るしか芸がなかった,ということである。
一般的な(≒大抵の凡庸な)ゲーム(特にビデオゲームぽいもの)における,プレイヤーとゲームシステムの関係性を,勝手に(しかも雑に)モデル化してみたのがFig. 1である。思考・操作・フィードバックのサイクルがゲームである,ということを説明している。思考と操作が一致し,うまく成功体験を導ければめでたいし,失敗体験が導かれたら悔しいと思うか,おかしいなと思って,考えてまた次の操作をする。
大雑把な構図はマンマシンシステムと似ているが,ゲームとて中身(いや外身か)は機械であるから,まあそんなもんである。(マンマシンシステムと同様な,効果器・操作器・…を含んだモデルもできようが,ここからの話の流れ上さほど意味がなさそうなので割愛。)
Fig. 1に示したようなサイクルがうまく成り立たないと,雑にいえばクソゲーということになる。
例えば,思考と操作に対してゲーム上でのキャラクターの動き(=フィードバック)などが全く想像や認知ができないようなものであった場合は,次にうまく思考することが出来ず,プレイヤーは闇雲に操作してみるか,そのうち怒り出すだろう。また,思考や操作に対して,フィードバックが期待以下のつまらないものであった場合も同様である。
そして,このサイクルが回る速度もゲームによってまちまちである。サイクルが回る速度に緩急が付けられているゲームもあるだろう。例えば格闘ゲームはこのサイクルが早く,同時に思考に費やせる時間に自ずと制約がついているといえるし,美少女ゲームのように思考に十分時間をかけられるようになっているものもある。あるときの操作が遅れてフィードバックされることもあるだろう。モノによっては,テトリスやパズドラのように,思考と操作のどちらか一方または両方に時間制限を設けているものもある。これがゲームのテンポというものを作っているとも言えよう。
話をVRM方面に戻していくために,鉄道ゲームの王座たる「電車でGO!」を考えてみよう。走行している電車を駅に停めるときには,あまりにボーッとしていてはたちまち駅を通り過ぎてしまうしブレーキもスカスカだから(笑),思考や操作にある一定の制約がかかっているとみることができる。ブレーキがヘタクソなら失敗体験をし,上手なブレーキが決まれば成功体験である。
各駅の間にある,速度制限や警笛ボーナスもこのサイクルを持っていると言え,逆に言えば,ゲームのテンポを形成する要素として速度制限や警笛などのボーナスが利用されている。要するに,駅間とてまったくヒマではないようになっている。
電車でGOのゲーム性を勝手に考察すると以上のようになるが,閑話休題,VRMクラウドのレイアウトは(少なくとも拙作は)どうだろうか。
もちろんいかにもゲーム然としたものをレイアウト作品としてユーザーまたはメーカーから期待されているわけでは決してないのがVRMである(はず)だ。が,しかし。
クラウドビュワーでできることは,まあせいぜい,テンポが悪いか,退屈だ。だって,動かして停めるだけだもん。(しかも,走ることにも停めることにも明示的な成功も失敗もなく,ただ景色が流れるだけのフィードバックがあるのみだ。)
ということで(やっと脱線が終わった),列車を動かして停める以外で,VRMクラウドという遊びのスキームのなかで不自然さの少ないような何らかのギミックが実現できないかと思って,以下のようなものを作ってみた。
センサーをトロコン(トロリーコンダクター)もどきとし,それでポイント操作をする路面電車のギミックを作ってみた。効果的な表示器として,スプライトを使用して電車用信号(もどき)も作った。
電停の手前の軌道上に2本の線が見えると思う。そこがトロコンの場所である。1つめのトロコンを叩いてから8秒以内に2つめのトロコンを叩くと相対的に右側の進路が開通する。逆に8秒以上待ってから2つめのトロコンを叩けば,左側に進路が開通する。(伊予鉄道市内線や,広島電鉄がこのような仕組みの装置を使っているらしい。)
その8秒間の間は,信号機(もどき)の転轍機アイコン(もどき)が点滅するようにした。この点滅リズムは少々独特だが,これはゼルダの伝説Breath of the Wildから,「ビタロック」という道具(8秒間,物体の動きを静止できる)のエフェクトを真似した。だんだん急かされるような点滅をするので,そのうち点滅が終了し何かが変わることのメタファーを含んでいる。(と,作った本人は思っている。)
VRM Cloudにアップする前に,多少の言葉での説明はスプライトで画面上に追加してしまうつもりだが,まあ,何度か失敗して,思った方向に行けない(か何が起きているか理解できない)にしても,やがてそのうち要領が得られるだろう。
実際には,このギミックを作ってこの考察を書き上げたところでまあまあ満足してしまったので,この続きのレイアウトを作る気があまり湧いてこない。プレイヤーのことを考えたようなことを書いておきながら,結局は自己満足なのだ。ワハハハハ。
このギミックをマネしたい人がいれば,現状のレイアウトファイルとスプライトのリソース画像をセットでアップしちゃうのでコメント下さいまし。
| 固定リンク
「VRM:研究」カテゴリの記事
- VRMNXの時間系イベントが使いにくいなあと思っているアナタへ(2019.12.24)
- [VRMNX] フレーム同期の話(2019.07.18)
- [Python] リスト型をベクトルに見立てて計算したい(2019.06.16)
- VRMNXのレイヤーベース地形を使ってみよう(前編)(2019.05.18)
- [VRMNX]自動踏切モジュール(2019.01.25)
この記事へのコメントは終了しました。



コメント
フォーカスしている編成にSetTimerVoltage等での自動速度制御は好ましくない,と私は強く考えています。上のモデルにあてはめて考えると,何も操作していないのに唐突にフィードバックが来る,ということになり,混乱の元です。
次の思考のステップに十分繋がるよう,合理的な説明があれば,もしかしたらそのようなこともできるかもしれません。(信号による速度制限とか。)しかし,それをプレイヤーにしっかり伝えることができなければ,クソゲー止まりだ,ということです。
投稿: AKAGI | 2017年10月17日 (火) 01時45分
トロコンのアイデア
視覚的にも分かりやすくて面白そうなギミックですね
モバイルのプロ版に課金して
色々な方のを見ていて
ribさんと言う方の「自動運転レイアウト」というのを
プレイしてみて
ビュアーとして車両を外から眺めて楽しむなら
こーゆーのもありかなって思いました
(しばらくホームに停車している場面で
特に文字による告知も出なくて
懸念する場面もありますけども)
投稿: かわむぅー | 2017年10月18日 (水) 02時12分